ロバの耳

アクセスカウンタ

help リーダーに追加 RSS 『米軍再編』を読む 2

<<   作成日時 : 2005/12/01 13:38   >>

トラックバック 0 / コメント 0

続いて 戦略のトランスフォーメーション が説明されています。豊富に掲載されている写真の説明が簡単にまとめられていて判りやすいので、抜粋してみます。流石に写真の転載はマズイと思うので、そちらは実際に手にとってご覧下さい(^^ゞ

米陸軍のトランスフォーメーション
米陸軍は2010年以降には、将来型戦闘システム(FCS)と呼ばれる一連の計量小型で、ネットワークで結ばれる戦闘車両、火砲、無人機システム、そしてシステム化された歩兵で構成されるオブジェクティブ・フォースに変身する計画である。

米海軍・海兵隊のトランスフォーメーション
米海軍は海上から陸上を攻撃できる水上艦が重視されるようになり、ステルス性に優れ、トマホーク巡航ミサイルや200kmもの射程を持つ艦載砲を搭載するDO(X)という新型駆逐艦や、沿岸近くの海域で多用途に使える小型高速水上艦LCSなどが建造される。
海兵隊はその足として、老朽化したCH-45ヘリコプターに代わる高速、長距離飛行ができるMV-22チルトローター機、水上を47km/hで走れる水陸両用強襲車両AAAV(または遠征戦闘車両:EFV)などを導入して、機動能力を大幅に改善する。

米空軍のトランスフォーメーション
1990年代から世界各地にその編成だけで完結性を持つ、複数機種の航空機からなる航空宇宙遠征軍(AEF)を展開させるようになった。(例えば沖縄 嘉手納航空基地に配属の第18ウイング(第5空軍)はF-15戦闘機部隊・E-3早期警戒管制機部隊・KC-135空中給油機部隊・HH-60G捜索救護ヘリコプター部隊で構成されている)
米空軍の次世代戦闘機は、ステルス性と高速長距離飛行能力に優れるF/A-22ラプター戦闘機と、垂直離着陸能力を持つ型を含めて各種の型が開発されるF-35ジョイント・ストライク・ファイターで構成される。
少数で大きな効果を発揮できるトランスフォーメーショナルな装備の代表の一つ。合成開口レーダー(SAR)で400km先までの地上の動きを監視できるE-8C J-STARS(統合監視目標攻撃レーザー・システム)は、実用試験中に湾岸戦争に投入されイラク軍の監視と攻撃機の誘導に大きな威力を発揮し、イラク戦争では砂嵐でもイラク軍の動きを把握し続けた。
また米空軍は陸軍や海軍・海兵隊と同様に無人機(UAV)の活用を拡大していく方針。アフガニスタン作戦からはブレデター無人偵察機にヘルファイアー空対地ミサイルを搭載した攻撃機MQ-1Aの実用化が始まり、イラク戦争では広範囲に使用されるようになった。

画像
冷戦後の世界ではテロリズムが大きな脅威となってきた。テロは従来の国家が中心の世界では機能した抑止力が働かない脅威で、軍事戦略にも大きな転換が求められている。
ODR(米軍戦力構成における四年次見直し)2005年は左図のような「四方向(フェア・ウェイ・マトリックス)と呼ばれう脅威の種類と脅威度に関する分類が伝えられている。
 判りやすいのでこっそりUP☆クリックすると大きくなります。ちょっと見づらいですがあしからず。
これまでODRの基本とされていた脅威対象、すなわち「伝統的(トラディショナル)」と呼ばれる、国家が持つ核戦力と通常戦力による米国への脅威は、発生の可能性も脅威度も低いとみなされるようになった。米国の持つ核戦力も通常戦力も、世界のいかなる国が持つそれらに対しても圧倒的に優位であり、従って、これに挑戦しようとする国家が出現する可能性は大幅に低下した。米軍トランスフォーメーションがバランスよく勧められるなら、米国の脆弱性はさらに減退するものと考えられている。
代わりに登場するのが、「非正規型(イレギュラー)」「破滅型(カタストロフィック)」「妨害型(ディスラプティブ)」と呼ばれる三つの脅威である。
注目すべきは、従来、冷戦後の米国の脅威として、@イスラム急進派の台頭 A「無頼国家」の核ミサイルによる脅しや攻撃 B中国の軍事的台頭 の三つが上げられてきた。が、そのBの脅威意識が大きく低下したことになる。それは台湾や日本に少なからぬ影響を与えるかもしれない。

国防予算支出計画
2006年度国防予算案や2011年度までの予算支出計画は、QDR2005の内容を表わすものになると予想される。2005年2月7日に発表された2006年度予算教書の内容は、現在行われているイラクの安定化(治安維持)作戦と、アフガニスタンを中心とする対テロの作戦の教訓を踏まえ(ただし、これらの戦闘に要する経費は、国防予算とは別途に支給される。このイラク・アフガン関係の戦費特別予算は合計1000億ドル以上に達すると予想されている)、陸軍や海兵隊の装備を重視したものとなり、またトランスフォーメーションの推進を中心に据えたものであった。 実は予算教書の公表の前に極秘のはずのPBD(計画予算決定(プログラム・パジェット・デシジョン)がリークされた。意図的にリークすることで、議会や軍、産業界の反応を見ると共に、衝撃を和らげようという目的があったものと推測される。またブッシュ政権が財政赤字の解消に積極的に取り組んでいるという姿勢を印象付ける狙いもあるとみられている。
PBDがリークされた当初は、大幅な国防予算と装備調達予算の削減計画が盛り込まれているとして各界に大きな衝撃を与えたものの、実際の予算案公表時には大きな反論は生まれなかった。その内容を精査すると実際の予算削減はなく、むしろ増加の傾向を続けるものであるし、2006年度予算で削られた主要な兵器、装備の調達計画も、それ以後の年度の予算で復活が期待できる内容だったからである。つまり、ブッシュ政権第二期目における国防予算支出計画は、イラクやアフガニスタンなどの作戦で不足が明らかになり、当面必要とされる陸軍関係装備の調達や兵力増加に力を入れ、海軍や空軍の装備は調達計画を少し遅らせて、その間に計画の復活の可能性を探るという戦略のようである。

ラムズフェルトの米軍の能力目標 「10−30−30目標」
米軍展開の必要性が生じた場合、世界のいかなる場所へも、所要の戦力を10日以内に展開し、敵を30日以内に撃破し、その後30日以内に次の場所での戦闘が可能な状態になる。(この構想の基になったのは秘密研究「作戦対応研究(オペレイショナル・アベイラビリティ・スタディ:OAS)」で米国の将来の敵に対し、戦闘準備の期間を極力与えず、戦いの主導権を握ることが必要という結論から導き出された。・・・2003OASではアジアの戦いに備える必要性も浮かび上がったとされるが、それが中国なのか、もっと広い所謂「不安定な弧」なのかはわからない。しかし、在来型の国家による脅威(中国)だけでなく、非対称型の脅威に対する能力も求められているのは間違いないだろう)
問題は、短期間で所要の米軍戦力を世界のどの地域にでも運んで行ける輸送力である。
「エア・モウビリティ・スタディ(航空機動研究:AMS)」・・・米軍の移動展開を含む将来の米軍作戦を支えるに必要とされる空輸能力の把握と、実現に向けてのロードマップ作成
「シー・ベイリング構想」・・・新型の事前集積船や戦域内高速輸送艦、移動式洋上基地などの研究開発計画
などを進めているが、それで全ての米軍展開作戦が米本土や公海上から行えるというわけではない、どうしても米国以外の国に置いた米軍基地や部隊にも依存せねばならない。これから将来の米軍作戦に必要な在外米軍と基地・施設を見直し、再配備しようというのがGPR(グローバル・ビスチャー・リビュー)である。

ここまでで気になったのは、日米同盟強化の一要因と言われている 中国の台頭や北朝鮮の核。米国自体はその脅威は低くなったと分析しているんですねぇ。たしかに2003OASではアジアの不安定要素が懸念されたようですが、どちらかと言えばテロの警戒じゃないのかな。機動力が増すということは、逃げ足も速いってことではないかい?
ここまでで「第一章米軍トランスフォーメーション」です。長いですね〜 けど、まだまだ行きます^_^;
しっかし、何事も予定通りには行かない。今日配信の記事を幾つか・・・

<米戦略文書>イラク駐留米軍の削減着手に初めて言及 2005年12月1日(木) 毎日新聞

 【ワシントン笠原敏彦】米ホワイトハウスは30日、イラク安定化に向けた戦略文書を発表し、来年中に駐留米軍の削減に着手する見通しに初めて公式に言及した。しかし、具体的な削減規模や日程は示さず、撤退開始はあくまでイラクの国内情勢改善が前提条件であることを強調。「まだ多くの挑戦が残されている」として米国民に米軍駐留への理解と忍耐を訴えている。
 「イラクでの勝利」と題された戦略文書は計35ページから成り、短期、中期、長期ごとの「勝利」の目標を設定した。政治、治安、経済の3分野で段階的に目標の達成を目指し、長期的には安定した統一国家のイラクを国際社会に統合し、対テロ戦争の「完全なパートナー」にすることを目指す。
 戦略文書は、イラク国民議会選挙を12月15日に控える政治プロセスが順調に進んでいることを強調。治安部隊の育成でも約21万人を訓練し、120大隊が戦闘に参加、うち40大隊以上が主導的に作戦の遂行が可能になっているとし、「我々の戦略は機能している」と指摘している。
 米国内で駐留米軍の撤退要求が高まる中、文書は「政治プロセスの前進とイラク治安部隊の成長」を前提に、「保証はできないが、駐留米軍の態勢は来年変化するだろう」と削減の見通しに言及した。
 一方で「十分に機能する民主主義がフセイン政権打倒から3年足らずで達成できると考えるのは現実的ではない。いかなる戦争も期限を切っては勝利していない」と国民に忍耐を求めている。
 米国ではイラクからの明確な出口戦略を求める声が強まっており、戦略文書の公表はその批判への対応と見られる。

米民主党から批判相次ぐ イラク演説は「戦略なし」 2005年12月1日(木) 共同通信

【ワシントン30日共同】ブッシュ米大統領が30日の演説で「イラク勝利」のための包括戦略を示したのに対し、野党民主党側からは、使い古された理屈を並べただけで米軍撤退につながる「出口戦略」は提示されなかったなどと批判が相次いだ。
 民主党のリード上院院内総務は「これまで大統領が使ってきた理屈のリサイクルにすぎない」と厳しく指摘。「米兵が無事に帰還できるようにするための真の成功戦略を示す機会を、大統領はまたも逃した」と述べ、イラクでの任務の完遂に向けた「明確な戦略」の提示を求めた。

レーザー計画の中止検討 ミサイル防衛で米政府 2005年12月1日(木) 共同通信

 【ワシントン30日共同】米国防総省が進めるミサイル防衛の1つで、発射直後の弾道ミサイルを航空機に搭載したレーザーで撃ち落とす「エアボーン・レーザー(ABL)」計画について、ホワイトハウスが中止を検討するよう要請していることが明らかになった。ロイター通信が30日伝えた。
 イラクでの米軍駐留の長期化や、ハリケーン「カトリーナ」による被害への巨額復興費などを受けた、ブッシュ政権による予算削減策の一環とみられる。
 ホワイトハウスは11月9日付の文書で、2007会計年度(06年10月−07年9月)国防予算案の見直しを提起した。ただ、同通信は、ホワイトハウスはまだ計画の中止は決断していないとしている。
 同計画は、ボーイング747−400型機に搭載した高出力レーザーで、弾道ミサイルを破壊する構想。

米軍再編

設定テーマ

関連テーマ 一覧

月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文